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期待を手放す@オーストラリア【環境が変わっても穏やかな幸せを】 [ポール・デスーザのWha-Dho (わどう)哲学]

オーストラリアへ引越して10ヶ月が経ちました。パートナービザがおりた今も、『己を知る』旅は続いています。

引越し後、こちらで時間ができたので念願のズンバとテニスを始めました。しかし、直後に身体が悲鳴をあげすぐに止めました。それから数ヶ月は半日の外出も難しく、菜園で働くのは30分が限界、1時間動くと翌日寝込みます。肩から指まで常に痺れ、胃腸は不調、眠れない夜が続きました。鍼灸治療を始めました。

身体の痛みは、精神の状態が顕在化したものです。ここで、この状態からどうすれば穏やかな幸せを感じることができるか、またもや自らの人生で人体実験してみることにしました。


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東京から大自然エコビレッジへの移住で、考えられる何もかもが一転し、移住直後は「(自分にとっての)普通な生活」ができませんでした。いちばん馴れないのは南半球生活。四季が逆転し、太陽と月の軌道が変化したことで、胎内時計が今も狂っています。
例えば昨日、寒い夜にジャズを聴き、ロウソクの光でローストチキンを食べながら、あれ今日はいつだっけ?7月です。カレンダーをじっくり見ても、今日の日付がしっくりきません。

慣れ親しんだ時間の流れ方、ライフスタイル、文化、精神性、便利さは、日常にもうありません。期待するような返答が相手から帰ってくることは皆無。「空気読めへんのかっ」とひとり暖簾に腕押しすぎて疲労。言葉の壁で知りたいことはわからない、伝えたいことは伝わらない。日本ならすぐ手に入るものが手に入らない。日本の都市部の世界観と、オートラリアの田舎のそれとの間で宙ぶらり。便利さをお金で得る暮らしから、便利さは自然から借りてくる生活。太陽や月の軌道でさえ、慣れ親しんだ線を描かない。東京では週末ようやく神経がほぐれるかどうかのビリビリした精神状態が、今はひたすら雲や木の音を聴いて過ごす生活。静寂を獲得するために常に戦い続けた「バトル」も消滅。「働く」という概念が今まで生きてきた国とまったく違う。ホリデーではない、これが日常。これら一切が疲労につながり、移住後はいつも眠く、そして持病から痛みまですべてどっと吹き出てきました。

これはずばり、期待をしすぎていることが原因で、不調になっています。過去の私をオーストラリアに一緒につれてきて、期待している心地のよい道を行けると決めていたのです。

ぐるぐるまわる「期待」を自らまわし続けて、イライラしていました。イライラするから身体が痛いのか、身体が痛むから落胆するのか、負のスパイラル。...に突入する前に、意識のリセットです[手(パー)]


まず、期待を手放しました。どうやって手放すかのアイデアをいくつか書いてみました。

1.ジャッジ(善悪の判断を自ら)しない

以前慣れ親しんだ生活のことを本気で恋しがったり、悔やんだりしない。ここにないものはない、なら良い意味であきらめる。新しい習慣、新しい生活、やりなおし(別居後の)新婚生活、あるがままをあるがままに受け入れる。ひとつひとつの物事に対して、好きも嫌いもありません。ただ、それをそれとして受け入れるだけです。物事はそこにあり(起こり)、そこに今「私」はここに居るだけだということです。人付き合いもそう、日々のできごとに対してもそう。好きも嫌いもなく、ものごとが起こっていくだけ。判断をしないで、心地よいと感じるものを自然に選んでいく。


2.過去の自分を話さない

ある日、ご近所さんと話していた時、私は自分が過去に存在していることに気づきました。過去の自分や昔の仕事のことばかり話していたのです。そして感情も(もれなく)セットでくっついていました。新しい場所では、誰もあなたが何者であるかを知りません。自分が何者かを伝えるために、履歴書に書いてあることや、過去の自分を話しがちです。すると、「今の自分」は消えていきます。今の自分は、過去には存在せず、過去の自分は、未来にも存在しないのに、です。
過去は過去でいいのです。今は「今を生きる」ことに集中したいからこそ、過去に執着しないということです。また心を「過去」に戻さないのと同時に、今の状況から逃げるための「未来」についても話しません。今をせいいっぱい生きるだけです。


3.今を受け入れ、どっぷりと浸かる

今の環境をそのままで受け入れる。例えば、あれがないこれがないと言わない。食にしても、食材を求めて探す事をやめました。今あるものや旬のものを使う、というよりもはや究極で菜園にあるものを使っています。頭でひねり出した英語が通じなくても、もういいやと思うようになりました。言語で失敗しても、ハグしたり目から伝えられることには失敗がありません。今にどっぷりと居ることで、自然と楽しさを感じれるようになるのは素敵な効能です。


4.感情をコントロールする

イライラすると、一人になる。外へ出て、新鮮な空気を吸う。コントロールできないレベルの感情の淵に落ちてしまうと知っているならば、その前に周りに相談して、自分で感情をコントロールできるような環境作りを事前に整備する。この項目は今は少し易しくなりましたが、長くとても辛い「修行」でした。

以前は、思うように行かない毎日、思うように生きていない自分に対して心の奥底で怒り続けていました。だから小さなイライラが起こると、心の奥底の怒りが連鎖して、自分の内から大噴火していました。数年前から「今」を受け入れる努力を続けたことで、人生から要らない(過去の)ものがそぎ落とされ、(今の人生に)必要な物がどんどん流れ込んできて、人生の基盤を築きなおしたことで、心の奥底にあった怒りの層はどんどん消えつつあります。感情がアップダウンすることがあるならば、これは心の奥底に積み上げられた何らかの感情に原因があるかもしれません。


4.感謝する

ありがとう、ありがとうと、言うことです。目の前にいる人、私がここまでやってくるために出会った人、家族。自然、植物、生き物、なにもかも。みんなに感謝し、生命に祈る時間をきちんと持つことです。

今いる場所がどこであっても、今、自分が存在する場面に登場するものすべて、感情もふくめてすべてをただ見つめてそこに居る(在る)だけです。感情はなくなったのではありません、感情を感じている自分もしっかりと見つめるのです。この連続が、不思議と感じるかもしれませんが、とても穏やかで幸せな状態へと導いていきます。これは心の訓練次第で、誰にでもできることです。


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さて、不思議な事に、過去の傷を癒すことやヒーリングと呼ばれるものは、日々に専心することで起こるように思います。いつもよりさらに意識的に「今を生きる」を実践して二ヶ月も経たない頃、通っている中国医療の先生で鍼灸治療をした際、ハートチャクラの胸側と背中側から大きく出血しました。体内の血の巡りが悪いことは現代人によくありがちな症状ですが、先生曰く「出血は稀だけれど、若い頃にうけた衝撃の記憶が、血とともにハートに澱んでいるケース」と。その治療はリチュアル(儀式)のようになり、たくさん泣いた後には、身体の痛みからどんどん解放されていきました。私の内にある一枚の「記憶の画」とそこに癒着する「感情」が、今を生きることに集中することで薄まりました。


移住した国で母国のように暮らすまで、かなりの時間がかかることは承知しています。穏やかに今の環境へ適応できる理由の一つに、日常に瞑想があるとも言えます。瞑想をしたからといって、魔法のように人生から困難が消えることは決してありません。エゴにより動く自分ではなく、心の奥底から声を発する「本当の自分(高次のセルフ)」とつながることで、苦しみや痛み、そして光悦や仮の喜びを、その高次の眼でみることができます。

また瞑想は、生きるために与えられた最も尊く基本な行為...呼吸に集中することを、自分に知らしめる訓練でもあります。瞑想の効果は、ゆったりと始める呼吸が徐々に教えてくれます。もしも今知りたい答えがあるならば、その答えを静かな時間がきっと教えてくれるでしょう。。。


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期待を手放す@東京【喧噪の中で無執着を知る】もどうぞ)
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前島修ニ

過去にこだわらない。感謝、どっぷり浸かる。少し理解できそうです。よろしくお願いします。マエジ。
by 前島修ニ (2014-07-04 10:37) 

Hiroco

前島先生、
ブログに訪れていただきありがとうございます。

コメントへ返信させていただいたと思っていたのですが、消えていたようです。すみません。なので約9年後の今日、あらためて返信を書かせていただきます。

黙想の意味もわからなかった女子高生が、こんなところへやってきています。毎クラスごとに黙想をご指導いただいた貴重な経験に、心から感謝しています。感謝という言葉の使い方もしらない生徒の頭が、さがりすぎて地面をほりさげても、感謝の念がしっかり伝わるのかわからないほどです。

前島先生が今日もお元気で、カメラ片手に美しい京都の四季を歩き続けていられることを想像しています!

by Hiroco (2023-10-24 10:03) 

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